歯が欠けた!~破折歯の修復治療
犬は、ヒトと比べて非常に噛む力が強いのですが、ヒトと同じように歯が欠けてしまうことがあります。
犬の場合、上顎の第4前臼歯が欠けることが多いです。
第4前臼歯は裂肉歯と称され、この歯は硬いものを噛む時に使います。
主にペットフードを食べているペットたちは、よく噛んで食べる習性が少なく思われます。
そのため、硬いものに慣れてなかったり、予想以上に硬いものを噛んでしまうと欠けてしまうようです。ケージ、おもちゃやペットボトルなどの人工的なものや、おやつ(蹄、骨、腱など)で欠けてしまいます。
猫は、ケンカや事故で犬歯を破折してしまうことが多いです。
欠けてしまった歯は、しばらくすると歯の中の血管神経(歯髄)に細菌感染が起き、歯根や歯周組織が化膿してしまいます。ヒトでは、我慢できないほどの痛みを伴うようになりますが、犬では痛くて食べられなくなることはまれで、多くの場合気づかずに放置してしまうことが多いようです。(歯が痛い!と言ってくれるといいのですが。。。)
欠けた歯は、歯周組織の感染が強い場合は抜歯をします。感染がほとんどない場合は、状態によって修復することができます。その場合は、歯髄を保存する歯内治療と歯髄を取り除く抜髄根幹治療が選択されます。
犬の左上顎の第4前臼歯(平板破折)。歯冠が欠けて、歯髄が露出している状態。
歯内治療をして、歯髄を保護。歯冠修復をしました。歯髄は温存し、定期的に経過観察を行います。