歯並び

歯並びや咬み合わせ(咬合)について、イヌネコで大きな問題になることは、あまりありません。ヒトと違って、上下の歯をすりあわせるような咀嚼をすることがなく、本人が、咬みづらいといって訴えることもないからでしょう。 イヌネコでは、主に口腔内の2カ所において、噛み合わせの調整をします。1つは、上下の犬歯。もう1つは、上顎第4前臼歯、第1後臼歯と下顎だい1後臼歯です。 イヌでは、生まれて、間もなく乳歯が生え、生後6ヶ月ごろまでに永久歯に生え変わります。この乳歯から永久歯に生え変わる時、順序よく乳歯が抜けるのですが、そのあいだ咀嚼するたびに、この2カ所の部分で、歯並びが調整されます。これは、永久歯が生えそろったあとも、顎の成長が止まるまで保たれるため、顎の成長に伴い、正常な位置まで永久歯が移動することができます。 乳歯が、適切な時期に抜けなかったり、上下の顎のバランスが生まれつき悪いと、不正咬合とよばれる噛み合わせの異常がおきてしまいます。 抜けないで残ってしまった乳歯は、適切な時期に抜歯し、永久歯を数ミリ移動して矯正することで、正常な咬み合わせを整えます。 写真は、乳歯残存による不正咬合の患者さんの口腔内写真です。 残存した乳歯を抜歯、永久歯を誘導して、矯正しました。