歯髄の感染
歯の構造は、そのほとんどが象牙質と呼ばれる硬組織からなります。
その象牙質の表面の、口の中に出ている部分(歯冠部)をエナメル質が、歯槽骨など歯を支える組織の中に入っている部分(歯根部)をセメント質が、それぞれ覆って成り立っています。
象牙質の中には、これら組織を形成維持するための歯髄があります。歯髄は、血管、神経、リンパ管、さらに象牙芽細胞と歯髄細胞から成り立っています。
歯髄は、歯が割れたり、歯周病にかかることなどにより、口腔内の細菌に暴露され、感染を受け、最終的には修復不可能な状態まで破損してしまいます。
下の写真は、硬いものを咬んで割れてしまった上顎の第四前臼歯(PM4)のレントゲン写真です。
割れてしまったことにより、歯髄が露出してしまい、細菌感染をうけ、その炎症が歯根周囲の歯周組織にまで及んでいます。(模式図の斜線部分です)


このようにおきた炎症は、隣接する歯に次々と波及してしまうため、放置せず、きちんと治療することが大切です