ネコの口内炎
中年期から高齢になるにつれて、ネコでは、口内炎が多く見られるようになります。
原因はさまざまですが、多くの症例で、強い痛みのため食べれなくなります。
歯肉だけ、炎症があることもありますが、上顎と下顎の臼歯の奥、いわゆる口狭部というところが真っ赤になり、腫れたり、ただれてしまったりします。食べ物が通るこの部分に、炎症が起きてしまうと、食べたいのに、食べると痛い!!食べれない!!!という状態になります。
写真は、口の中が痛く食べれなく来院したネコの口の中をうつしたものです。

中央に真っ赤にただれている部分(口狭部の炎症)がありました。赤く腫れてただれてます。
原因は、歯周病やFeLV(猫白血病)、FIV(猫免疫不全;猫エイズ)などの感染症による場合、猫歯頸部吸収病巣(FORL)といったネコ独特の疾患による場合と様々です。
いずれにしても、血液検査やレントゲン検査をおこない、背景や病態を十分精査する必要があります。
治療方法は、ステロイド剤の注射を用いた対症療法が多いようですが、全身状態やその後のQ.O.L(クオリティーオブライフ;生活の質)を考えると、歯周治療や抜歯などの歯科治療を行い、根本治療を行う方が良いと思われます。
このような口内炎があるネコの特徴は
1. 口臭がする
2 よだれが多い
3. だんだん(または急に)固いものを食べなくなった
4. 食事をためらうようにする。(休み、休み食べる。また、途中でやめてしまう)
など、など、です。
一度、我が家の愛猫の食べ方をよーく、ゆっくりと観察してみてください。
あれっ?おかしいかも。とか、はたまた、新しい発見があるかもしれませんね。
たとえば、『右側で食べるんだ!』、『噛んでない?!』、『あら!この子も顔に白髪が出てきたわ!』なんて。。。。